2022年4月25日 投稿者: furuno

夜間支援等体制加算の「夜間支援の対象者数」の計算方法

夜間支援の対象者数について

共同生活援助(グループホーム)で、理解し辛いのが、夜間支援等体制加算における「夜間支援の対象者数」です。

「夜間支援の対象者数」は、「今現在、GHに入居している利用者数」ではなく、「前年度(4月〜3月)の利用者数」から計算したものです。


開所して間もない事業所は、前年度実績がないので、便宜上、「夜間支援の対象者数」は、定員の90%とみなされます。

開所後半年経ったら、直近6か月分の実績から計算

開所後1年経ったら、直近1年分の実績から計算

となります。

開所直後の夜間支援の対象者数

例: 定員4人のグループホームの場合

開所1か月目 定員4人の90%→3.6人
2か月目 定員4人の90%→3.6人
3か月目 定員4人の90%→3.6人
4か月目 定員4人の90%→3.6人
5か月目 定員4人の90%→3.6人
6か月目 定員4人の90%→3.6人

 

開所から6か月経った時の夜間支援の対象者数

開所後半年経ったら、直近6か月分の実績から計算します。

(この「直近」というのは、毎月変わるので、開所から半年経ったら、毎月計算する必要があります)

7か月目における「夜間支援の対象者数」は、「1か月目から6か月目までの延べ利用者数」を「1か月目から6か月目までの開所日数」で割った人数となります。

7か月目の対象者数 「1か月目〜6か月目までの延べ利用者数(人)」を
「1か月目〜6か月目までの開所日数(日)」で割り、小数点2位以下切り上げ
8か月目の対象者数 「2か月目〜7か月目までの延べ利用者数(人)」を
「2か月目〜7か月目までの開所日数(日)」で割り、小数点2位以下切り上げ
9か月目の対象者数 「3か月目〜8か月目までの延べ利用者数(人)」を
「3か月目〜8か月目までの開所日数(日)」で割り、小数点2位以下切り上げ
   
12か月目の対象者数 「6か月目〜11か月目までの延べ利用者数(人)」を
「6か月目〜11か月目までの開所日数(日)」で割り、小数点2位以下切り上げ

開所から一年経った時の夜間支援の対象者数

13か月目の対象者数 「1か月目〜12か月目までの延べ利用者数(人)」を
「1か月目〜12か月目までの開所日数(日)」で割り、小数点2位以下切り上げ
14か月目の対象者数 「2か月目〜13か月目までの延べ利用者数(人)」を
「2か月目〜13か月目までの開所日数(日)」で割り、小数点2位以下切り上げ

13か月目以降は、もし、一年度分(=4月から翌年3月まで)の実績ができていたら、その前年度実績から計算し、以降一年間は、その対象者数で固定されます。

前年度実績ができた場合の夜間支援の対象者数

一年度(4月〜翌年3月)経過したら 「4月〜翌年3月までの延べ利用者数(人)」を
「4月〜翌年3月までの開所日数(日)」で割り、小数点2位以下切り上げ

 

計算の結果、「夜間支援の対象数」が変更すると分かった時

たとえば、4人定員のグループホームで、開所当初の利用者数が少ない場合は、直近6か月での実績から計算した夜間支援の対象者数が「2人以下」になることもあります。

↓このような場合です

  1か月目 2か月目 3か月目 4か月目 5ヶ月目 6か月目
定員 4人 4人 4人 4人 4人 4人
実際の入居者 0人 0人 2人 2人 2人 2人
延べ利用者数 0人 0人 62人 60人 62人 60人
開所日数 31日 28日 31日 30日 31日 30日

1か月目から6か月目の延べ利用者数 0+0+62+60+62+60=244人

1か月目から6か月目の開所日数 31+28+31+30+31+30=181日間

244/181=1.34 →小数点2位以下切り上げて1.4人 夜間支援の対象者数は1.4人


その場合は、すぐ変更届を出して、7か月目から「2人以下」の報酬区分で算定します。


1月開所で、1月から6月までの実績から、7月の対象者数が「2人以下」になることがわかった場合、例外的に7月末日まで、変更届を受け付けてもらえるので(通常の加算届は前月15日までですが)、7月末日までに提出すれば、7月利用分から「2人以下」の区分で請求することができます。

届出を忘れてしまうと、報酬返還が生じる恐れがあるので、気をつけましょう。

前年度の実績が1年未満で、定員増加した時の対象利用者数

前年度の実績が1年未満で、途中で、定員増加、定員減少した場合は、計算が複雑になるので注意が必要です。

例: 定員4人→定員5人

増員後1か月目

それまでの実績+定員増加分の90% 

例:4人+1人*0.9=4.9人 → 四捨五入して5人
(通知によると、増加分だけ90%とする考えですが、 大阪市の介給別紙の場合は、単に「利用定員の90%」としか書かれていません)

増員後2か月目  それまでの実績+定員増加分の90%
増員後4か月目 それまでの実績+定員増加分の90%
増員後5か月目 それまでの実績+定員増加分の90%
増員後6か月目 それまでの実績+定員増加分の90%
増員後7か月目 増員後1か月目〜6か月目の延べ利用者数(人)を、
増員後1か月目〜6か月目の開所日数(日)で割り、
小数点2位以下切り上げ

 

前年度の実績が1年未満で、定員減少した時の対象利用者数

例:定員5人→定員4人にした時の夜間支援の対象者数

減少後1か月目 夜間支援対象利用者数は従前のまま =前の月と同じ
減少後2か月目 夜間支援対象利用者数は従前のまま
減少後3か月目 夜間支援対象利用者数は従前のまま
減少後4か月目 減少後1か月目から3か月目までの延べ利用者数を、
減少後1か月目から3か月目までの開所日数で割り、
小数点2位以下切り上げ


定員減少後1〜3か月目までは、「従前のまま」なので、場合によっては、定員4人しかいないのに「5人の報酬単価で請求することになる」ので注意が必要です。

減少後の実績が3か月以上ある時は、減少後の延べ利用者数を、当該3か月間の開所日数で割ります。

請求について

夜間支援の対象者数がわかったら、次は、請求です。

<夜間支援従事者1人、夜間支援の対象者数3人、今現在の実際の入居者2人 の場合>

この場合は、「3人」の報酬単価で、今現在の実際の入居者2人について請求します。

現時点で2人しか住んでいないからと、対象者数が2人で「2人以下」の報酬単価になるわけではありません。

<夜間支援従事者1人、夜間支援間の対象者数2人、今現在の実際の入居者4 人 の場合>

この場合は、「2人以下」の報酬単価で、今現在の実際の入居者4人について算定します。

夜間支援従事者が複数の場合

夜間支援従事者が複数の場合は、計算で出た「夜間支援の対象者数」を按分します。

<夜間支援従事者2人、夜間支援の対象者数3人、今現在の実際の入居者4人の場合>

夜間支援の対象者数 Aさんが支援を行う利用者の数(人) Bさんが支援を行う利用者の数(人)
3 2 1

AさんとBさんともに、支援を行う利用者の数は「2人以下」となるので、報酬区分は「2人以下」となります。

Aが実際にみる現在の利用者2人について「2人以下の報酬区分」、Bが実際にみる現在の利用者2人について「2人以下の報酬区分」となります。

4人全員、「2人以下」の報酬単価で請求するということです。

<夜間支援従事者2人、夜間支援の対象者数5人、今現在の実際の入居者4人の場合>

夜間支援の対象者数 Aさんが支援を行う利用者の数(人) Bさんが支援を行う利用者の数(人)
5 2 3

Aさんが実際にみる現在の利用者2人について「2人以下」の報酬区分で請求し、Bさんが実際にみる現在の利用者2人について「3人」の報酬区分で請求することととなります。

注意点

自治体によっては考え方が異なる場合もあります。

解釈・計算誤り等による返戻や損害に対する責任は負いかねますので、飽くまで参考程度とし、ご自身で指定権者にご確認ください。