夜間支援等体制加算の「夜間支援の対象者数」の計算方法
夜間支援の対象者数について
共同生活援助(グループホーム)で、理解し辛いのが、夜間支援等体制加算における「夜間支援の対象者数」です。
「夜間支援の対象者数」は、「今現在、GHに入居している利用者数」ではなく、「前年度(4月〜3月)の利用者数」から計算したものです。
開所して間もない事業所は、前年度実績がないので、便宜上、「夜間支援の対象者数」は、定員の90%とみなされます。
開所後半年経ったら、直近6か月分の実績から計算
開所後1年経ったら、直近1年分の実績から計算
となります。
・
開所直後の夜間支援の対象者数
例: 定員4人のグループホームの場合
開所1か月目 | 定員4人の90%→3.6人 |
2か月目 | 定員4人の90%→3.6人 |
3か月目 | 定員4人の90%→3.6人 |
4か月目 | 定員4人の90%→3.6人 |
5か月目 | 定員4人の90%→3.6人 |
6か月目 | 定員4人の90%→3.6人 |
開所から6か月経った時の夜間支援の対象者数
開所後半年経ったら、直近6か月分の実績から計算します。
(この「直近」というのは、毎月変わるので、開所から半年経ったら、毎月計算する必要があります)
7か月目における「夜間支援の対象者数」は、「1か月目から6か月目までの延べ利用者数」を「1か月目から6か月目までの開所日数」で割った人数となります。
7か月目の対象者数 | 「1か月目〜6か月目までの延べ利用者数(人)」を 「1か月目〜6か月目までの開所日数(日)」で割り、小数点2位以下切り上げ |
8か月目の対象者数 | 「2か月目〜7か月目までの延べ利用者数(人)」を 「2か月目〜7か月目までの開所日数(日)」で割り、小数点2位以下切り上げ |
9か月目の対象者数 | 「3か月目〜8か月目までの延べ利用者数(人)」を 「3か月目〜8か月目までの開所日数(日)」で割り、小数点2位以下切り上げ |
12か月目の対象者数 | 「6か月目〜11か月目までの延べ利用者数(人)」を 「6か月目〜11か月目までの開所日数(日)」で割り、小数点2位以下切り上げ |
・
開所から一年経った時の夜間支援の対象者数
13か月目の対象者数 | 「1か月目〜12か月目までの延べ利用者数(人)」を 「1か月目〜12か月目までの開所日数(日)」で割り、小数点2位以下切り上げ |
14か月目の対象者数 | 「2か月目〜13か月目までの延べ利用者数(人)」を 「2か月目〜13か月目までの開所日数(日)」で割り、小数点2位以下切り上げ |
13か月目以降は、もし、一年度分(=4月から翌年3月まで)の実績ができていたら、その前年度実績から計算し、以降一年間は、その対象者数で固定されます。
前年度実績ができた場合の夜間支援の対象者数
一年度(4月〜翌年3月)経過したら | 「4月〜翌年3月までの延べ利用者数(人)」を 「4月〜翌年3月までの開所日数(日)」で割り、小数点2位以下切り上げ |
計算の結果、「夜間支援の対象数」が変更すると分かった時
たとえば、4人定員のグループホームで、開所当初の利用者数が少ない場合は、直近6か月での実績から計算した夜間支援の対象者数が「2人以下」になることもあります。
↓このような場合です
1か月目 | 2か月目 | 3か月目 | 4か月目 | 5ヶ月目 | 6か月目 | |
定員 | 4人 | 4人 | 4人 | 4人 | 4人 | 4人 |
実際の入居者 | 0人 | 0人 | 2人 | 2人 | 2人 | 2人 |
延べ利用者数 | 0人 | 0人 | 62人 | 60人 | 62人 | 60人 |
開所日数 | 31日 | 28日 | 31日 | 30日 | 31日 | 30日 |
1か月目から6か月目の延べ利用者数 0+0+62+60+62+60=244人
1か月目から6か月目の開所日数 31+28+31+30+31+30=181日間
244/181=1.34 →小数点2位以下切り上げて1.4人 夜間支援の対象者数は1.4人
その場合は、すぐ変更届を出して、7か月目から「2人以下」の報酬区分で算定します。
1月開所で、1月から6月までの実績から、7月の対象者数が「2人以下」になることがわかった場合、例外的に7月末日まで、変更届を受け付けてもらえるので(通常の加算届は前月15日までですが)、7月末日までに提出すれば、7月利用分から「2人以下」の区分で請求することができます。
届出を忘れてしまうと、報酬返還が生じる恐れがあるので、気をつけましょう。
前年度の実績が1年未満で、定員増加した時の対象利用者数
前年度の実績が1年未満で、途中で、定員増加、定員減少した場合は、計算が複雑になるので注意が必要です。
例: 定員4人→定員5人
増員後1か月目 |
それまでの実績+定員増加分の90% 例:4人+1人*0.9=4.9人 → 四捨五入して5人 |
増員後2か月目 | それまでの実績+定員増加分の90% |
増員後4か月目 | それまでの実績+定員増加分の90% |
増員後5か月目 | それまでの実績+定員増加分の90% |
増員後6か月目 | それまでの実績+定員増加分の90% |
増員後7か月目 | 増員後1か月目〜6か月目の延べ利用者数(人)を、 増員後1か月目〜6か月目の開所日数(日)で割り、 小数点2位以下切り上げ |
前年度の実績が1年未満で、定員減少した時の対象利用者数
例:定員5人→定員4人にした時の夜間支援の対象者数
減少後1か月目 | 夜間支援対象利用者数は従前のまま =前の月と同じ |
減少後2か月目 | 夜間支援対象利用者数は従前のまま |
減少後3か月目 | 夜間支援対象利用者数は従前のまま |
減少後4か月目 | 減少後1か月目から3か月目までの延べ利用者数を、 減少後1か月目から3か月目までの開所日数で割り、 小数点2位以下切り上げ |
定員減少後1〜3か月目までは、「従前のまま」なので、場合によっては、定員4人しかいないのに「5人の報酬単価で請求することになる」ので注意が必要です。
減少後の実績が3か月以上ある時は、減少後の延べ利用者数を、当該3か月間の開所日数で割ります。
請求について
夜間支援の対象者数がわかったら、次は、請求です。
<夜間支援従事者1人、夜間支援の対象者数3人、今現在の実際の入居者2人 の場合>
この場合は、「3人」の報酬単価で、今現在の実際の入居者2人について請求します。
現時点で2人しか住んでいないからと、対象者数が2人で「2人以下」の報酬単価になるわけではありません。
<夜間支援従事者1人、夜間支援間の対象者数2人、今現在の実際の入居者4 人 の場合>
この場合は、「2人以下」の報酬単価で、今現在の実際の入居者4人について算定します。
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夜間支援従事者が複数の場合
夜間支援従事者が複数の場合は、計算で出た「夜間支援の対象者数」を按分します。
<夜間支援従事者2人、夜間支援の対象者数3人、今現在の実際の入居者4人の場合>
夜間支援の対象者数 | Aさんが支援を行う利用者の数(人) | Bさんが支援を行う利用者の数(人) |
3 | 2 | 1 |
AさんとBさんともに、支援を行う利用者の数は「2人以下」となるので、報酬区分は「2人以下」となります。
Aが実際にみる現在の利用者2人について「2人以下の報酬区分」、Bが実際にみる現在の利用者2人について「2人以下の報酬区分」となります。
4人全員、「2人以下」の報酬単価で請求するということです。
・
<夜間支援従事者2人、夜間支援の対象者数5人、今現在の実際の入居者4人の場合>
夜間支援の対象者数 | Aさんが支援を行う利用者の数(人) | Bさんが支援を行う利用者の数(人) |
5 | 2 | 3 |
Aさんが実際にみる現在の利用者2人について「2人以下」の報酬区分で請求し、Bさんが実際にみる現在の利用者2人について「3人」の報酬区分で請求することととなります。
注意点
自治体によっては考え方が異なる場合もあります。
解釈・計算誤り等による返戻や損害に対する責任は負いかねますので、飽くまで参考程度とし、ご自身で指定権者にご確認ください。
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