グループホーム(共同生活援助)と生活介護(日中活動サービス)は同じ建物でできない?
複数のサービスを同一建物内でするなら?
以前、生活介護とグループホームを同じ建物で開業したいという方がいました。
ふつうは、とくに何も疑問に感じないかもしれませんが、注意点があります。
大阪市では、生活介護のような日中活動サービスと、共同生活住居(グループホーム)は、同一建物の中では開業できないのです。
ほかの地域でも、同様の制限を設けているところもあります。
なぜ生活介護とグループホームは同じ建物でできないのか。
共同生活援助(グループホーム)とは,地域の中で家庭的な雰囲気のもとで、共同生活を行う「障害者の住まいの場」だからです。
そもそも、グループホームを設置する場所も、人里離れた辺鄙な場所ではダメで、社会との連帯を確保する観点から、住宅地や、住宅地と同じぐらい利用者の家族や地域住民との交流の機会ができる地域にあることとされています。
同じ建物内で、昼は生活介護、夜はグループホーム・・と生活が完結してしまっては、外に出なくなってしまい、地域と交流できません。
そのため、併設が認められないのです。
生活介護に限らず、次のような日中活動サービスは、グループホームとの併設が認められない可能性があるので、確認が必要です。
(1) 生活介護
(2) 自立訓練(機能訓練・生活訓練)
(3) 就労移行支援
(4) 就労継続支援(A型・B型)
日中活動サービスとグループホームを同一建物の中で開業するための対策は?
生活介護のような日中活動サービスとグループホームを同一建物内で開業することは絶対にできないのかと言われれば、そういうわけではありません。
大阪市の場合は、法人を変えれば、認められます(2022年4月現在)。
ただ、利用者さんの生活が、同一建物内で完結しないよう配慮してあげる必要はありますね。
たとえば、そのグループホームの利用者さんは、併設の日中活動サービスを利用するのではなく、外部の日中活動サービスを利用するなど。
私もたまに休日は「今日は家の敷地から一歩もでなかったな」ということがありますが、運動不足にもなりますし、気分的にもよくないかもしれません。
グループホームは生活できていればいいのではなく、「地域との交流」という目的もあるので、それを忘れないようにしなければいけません。
補助金を利用する場合などの注意点
グループホームと日中活動サービスの併設が認められるかどうかは、各自治体の見解にもよりますので、事前にきちんと確認してください。
自治体によっては、「日中サービス支援型のグループホーム」の場合は、一定の要件を満たせば、日中活動サービス事業所との併設を認めるというところもあります。
事前に確認せず、開業準備をかなり進めた段階で、「同一法人による同一建物内での開業はNG」と言われたら大変ですよね。
また、開業にあたり、補助金を利用しようと考えている場合は、早めに動き出していると思いますが、同一法人で、生活介護とグループホームの補助金申請を進めて、いざ、指定申請をしようという時に、「同一法人ではダメ」と言われたら、補助金申請が台無しになってしまいます。
そのようなことを避けるためにも、全体の流れや要件を確認してから、動き出しましょう。
あらかじめ、同一法人による指定申請がNGだと分かっていれば、補助金も別法人で申請するなり、対応することができます。
同一建物内で複数の事業を展開しようとしている障害福祉事業者は注意
グループホームに限らず、同一建物内で複数の障害福祉事業を展開しようとしている場合は、ほかにも、注意点があります。
面積のこと、管理者のこと、指定番号のこと・・・などなどありますが、それはまた別の記事で紹介できたらと思います。
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