看護師は児童指導員になれないのに児発管にはなれる?
児童発達支援や放課後等デイサービスなどの障害児通所支援事業所における児童指導員。
事業所側からしたら、人を採用するときに、その人が児童指導員になれるのか否かはとても重要です。
要件は複雑で、何年も事業所を運営している人でも、わかっていない方も多いです。
中でも、分かり辛いと感じたのは看護師資格です。
教員免許があれば、すぐに児童指導員として働けますが、看護師資格があっても、それだけでは、すぐ児童指導員にはなれません。
ただ、病院勤務経験のある看護師さんの場合、児童指導員にはなれないのに、「児童発達支援管理責任者」にはなれる可能性があります。
(令和4年度からは児発管になるには実践研修が必要となったため、2年はかかります)
児童指導員の要件について
2022年5月現在の児童指導員の要件です。
看護師の記載はありません。
看護師としての病院や診療所での直接支援の実務経験は、児童指導員になるための実務要件は満たさないことがわかります。
児童指導員に求められる実務経験は、「児童福祉事業での実務経験」に限られるからです。
児童発達支援管理責任者の要件について
次に、児童発達支援管理責任者の要件についても確認します。
「児童発達支援管理責任者に求められる実務経験」は、直接支援の業務であれば、児童福祉事業に限らないことがわかります。
(除外しなければいけない経験などもあるため、厳密には、細かく確認する必要があります)
看護師の資格と経験だけでは児童指導員になれないが、児発管になれる可能性があるかも?
看護師免許を持っている人は、ほとんどの場合、病院や診療所などの医療機関での勤務経験があるので、5年以上働いていて、直接支援業務をしていた人なら、児童福祉事業での実務経験がなくても、児童発達支援管理責任者になれる可能性のある(=基礎研修を受講できる)人もいます。
令和4年度からは、実践研修の受講が義務化されたため、基礎研修修了後、2年の実務経験は積まなくてはいけないため、基礎研修修了後すぐに児発管になれるわけではありません。
ですが、看護師として5年以上働いていて、1年でも直接支援業務の経験がある看護師の場合、すぐに児発管の基礎研修を受講することはできます。
児童発達支援管理責任者の基礎研修受講の要件
基礎研修の受講要件とされる実務経験年数が、児発管の要件で求められる実務経験年数より2年ずつ短いのは、基礎研修修了後、実践研修を受講するまでに2年の実務経験を積む必要があるためです。
「基礎研修の受講要件とされる実務経験年数」+「実践研修受講要件とされる、基礎研修修了後の実務経験2年」= 「児童発達支援管理責任者の要件の実務経験年数」
となるわけです。
要件を満たす看護師を採用した場合、基礎研修はすぐに受けてもらうことができるかもしれませんが、基礎研修修了後の2年の実務経験を積む間は、無資格者となる可能性があります。
人員配置に余裕のない事業所では、人件費的に厳しいかもしれません。
(看護職員の必要な事業所なら別ですが。)
実践研修が必要となったので
令和4年度以降は、基礎研修修了後、2年の実務経験を経て、実践研修を受講してからでないと、児発管になることはできなくなりました。
ですから、病院勤務経験のみの看護師から、いきなり児発管になれるということはなくなりましたが、児発管になれる要件が厳しくなった今、基礎研修をすぐ受ける要件を満たせている人も貴重かもしれませんね。